補助犬=盲導犬、だけではない!犬のすごいサポート能力とは
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こんにちは。うさパラスタッフです。
先日Redditを見ていたら、たまたま補助犬の動画が流れてきました。
記憶が定かではありませんが、「私の犬は本物の天使」とキャプションに書かれたその動画では、飼い主の身の回りの生活を助けるだけではなく、血圧に問題を抱える飼い主の異常をいち早く察知し、立ち眩みなどで倒れたり失神してしまう前に飼い主を椅子に座らせたり安全な場所へ移動させる補助犬の姿が記録されていました。
補助犬というと盲導犬のイメージが強いのですが、血圧の変化まで察知することができるの?と驚いた私は早速リサーチ。
すると、実に多くの分野で飼い主をサポートする補助犬が存在することがわかりました。今回はそんな補助の仕事を紹介したいと思います。

補助犬の種類はどんなものがあるの?
人の生活を助けるため訓練した犬を英語では「assistance dog」や「service dog」と呼びます。日本では「盲導犬」「聴導犬」「介助犬」をまとめて補助犬と呼んでいます。飼い主の視覚をサポートする盲導犬以外にも、実に多くの種類があるんですよ!まずはその例から紹介します。
参考:Types of Service Dogs and Their Jobs
①盲導犬(Guide dogs)
補助犬の中でもポピュラーな盲導犬。その歴史は何世紀にもわたるそう。犬種はラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリバーが一般的。
②聴導犬(Hearing dogs)
火災報知器、ドアチャイム、オーブンのタイマー、赤ちゃんの泣き声、後から来る車の音などを飼い主に知らせる聴導犬。
また受付の窓口などでは、順番待ちの際に受付係の人に鈴を鳴らしてもらうことで、名前が呼ばれた事を知らせることもできます!
③発作性疾患介助犬(Seizure alert and response dogs)
てんかん発作や低血糖症による発作を持つ飼い主をサポートするのがこの補助犬。発作が起きるのを感知し飼い主に知らせるほか、飼い主を危険な場所から遠ざけたり、周りに助けを求めることができるよう訓練されています。
④糖尿病介助犬(Diabetic alert dogs)
犬の嗅覚は人間と比べて大変に優れていることはよく知られていますが、糖尿病の匂いまで感知することができることはあまり知られていないはず。
これらの補助犬は、飼い主の血糖値に異常が出た際に飼い主に知らせたり、飼い主の家族に知らせたりといったことができます。
⑤アレルギー探知犬(Allergy detection dogs)
環境中のわずかなアレルゲンを嗅ぎ分け、飼い主に知らせる訓練がなされた介助犬です。
飼い主がアレルギーを起こす可能性のある物質の匂いをかぎ分け、飼い主に知らせたり、近づけたり触らせたりしないようにします。こちらも、犬の類まれなる嗅覚を活かした介助のあり方ですね。
⑥移動補助犬(Mobility assistance dogs)
移動補助犬は、体の不自由な方の移動を助けます。ドアを開けたり、電気をつけたり、ボタンを押したり、また指定の物を取ってくるようにも訓練されています。
力の強いラブラドール、ゴールデン・レトリバー、サモエド、ラフ・コリーなどの大型犬が向いています。
⑦自閉症介助犬(Autism service dogs)
自閉症が持つ感覚的な困難さを和らげ、パニックや癇癪が起こったときに、ケアできるように訓練された補助犬です。
また自閉症の子供は家出や迷子になりやすいため、補助犬が子供を守り、追跡し、危険な状態に陥った時は家族に知らせるといった役割も果たします。
⑧精神介助犬(Psychiatric service dogs)
PTSDや不安症、うつ病、双極性障害などの方に起こりやすい、パニックや発作、フラッシュバックを探知し、体に触れるなどで安心感を与えてくれるのがこの補助犬。
さらに日常生活においては、家に先に入って部屋の照明をつけてあげたり、外では他人との間に入り込んで壁を作ることで、飼い主のパーソナルスペースを守ることも可能です。
⑨セラピー犬(Therapy dogs)
病院、ホスピス、学校、老人ホーム、保健施設などに出向き、患者をリラックスさせ安らぎを与えるように訓練された犬です。
慣れない環境や大きな音、せわしない人々の動きに囲まれていたり、多くの人に撫でられたり触られたりしても落ち着きを保つことができる優しい性格の犬が向いています。
ただしセラピー犬はそのほかの補助犬とは異なり、公共の場に出入りする許可は与えられていません。
動画で見てみよう!
実際に働く補助犬の動画を集めてみました♪
こちらの日本介助犬の動画では介助犬ができる基本の仕事を紹介しています。とても器用にものを拾ったり、おにぎりのフィルムまで開けたり!
この動画は身体障がいを抱える飼い主の方の日常生活をサポートする補助犬の様子。スーパーでの買い物もお手の物ですね。
こちらは自閉症の男の子をサポートする補助犬ハリスの動画。外に出るとパニックを起こしてしまう彼ですが、ハリスと一緒にいるととても落ち着いた様子ですね。
どの動画を見ても、犬が本来もつ忠実さ、愛情深さが飼い主の精神的サポートもはたしていることが良く表れています。
補助犬にまつわる社会問題
数が足りない
社会福祉法人・日本盲人社会福祉施設協議会の集計によると、2021年の3月31日までで861頭の盲導犬が実働しているようですが、盲導犬の数はここ数年間連続で減少しています。一方で盲導犬のサポートを望んでいる潜在的な希望者は約3000人おり、数が足りていないのが現実。また訓練設備の整備や拡大、訓練に伴う資金不足やボランティア不足なども理由の一つのようです。
参考:日本の盲導犬:928頭が稼働中も数は漸減、欧米と大きな差
参考: 盲導犬の頭数は?
社会の認知不足
2002年に施行された身体障害者補助犬法によって、補助犬はスーパーやコンビニ、病院やレストランなど、不特定多数の人たちが利用する場所に連れて行ってもよいことになっています。それでもまだまだ社会への理解は広がらず、出かけた先で入店を断られるケースは後を絶ちません。また、飼い主が倒れてしまった際に救急車への同乗を拒否されたケースも。
飲食店の場合は特に「犬=感染症や抜け毛」といった衛生面が気になるという理由で入店拒否されるケースが多いようですが、実際はこれらの補助犬は定期健診や予防接種はもちろん、外出時の抜け毛対策として日々のブラッシングや「マナーコート」と呼ばれるケープを着用したりと、しっかりと衛生管理がなされています。
また「犬を怖がる人」「犬が苦手」な人においても、補助犬は感情のコントロールができ落ち着きを保つことができるよう訓練されているので、いきなり飛び掛かったり、吠えたり…ということは起こりません。

うさパラ募金箱では訓練施設への寄付も!
6月末で2回目の募金が終了した「うさパラ募金箱」。みなさまの温かいご支援の思いに、感謝してもしきれません。本当にありがとうございます。
うさパラ募金で集まった寄付金は「アニマル・ドネーション」を通して、動物愛護団体に寄付されます。人のために働く補助犬や伴侶犬の育成にも使われていますよ✨
ご興味のある方は、ぜひ↑の特設ページをチェックしてみてくださいね。以上、うさパラスタッフでした。
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