【獣医師監修】うさぎの病気②~皮膚病(皮膚糸状菌症・湿性皮膚炎)~
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こんにちは、うさパラです。うさぎ用のお薬の取り扱い開始を記念して、うさぎの病気について獣医師が解説するこのシリーズ。
2回目の今回は、皮膚病(皮膚糸状菌症・湿性皮膚炎)についてです!うさぎの皮膚は薄く、湿気に弱いことが知られています。湿気の多い時期や子うさぎ、老齢期のうさぎは皮膚の病気を起こしやすいので注意が必要です。
病気の中にはうさぎから人にうつるものもあるので、脱毛やフケを見つけたら見過ごさず治療しましょう。
うさぎの皮膚病で多いものに
- 皮膚糸状菌症
- 湿性皮膚炎
- 外部寄生虫症
があります。外部寄生虫については今後の記事で解説予定なので、今回は皮膚糸状菌症と湿性皮膚炎について説明したいと思います。
この2つの病気は湿度の高い時期に発症しやすいため、梅雨時期は気を配ることはもちろん、濡れたままになりやすい口周り、お尻回りは特に気を付けてくださいね。
皮膚糸状菌症について
皮膚糸状菌症はカビである白癬菌(Trichophyton spp.)や小胞糸菌(Microsporum spp.)の感染による皮膚疾患です。うさぎでは主にT.mentagrophytesが多く検出されます。感染すると顔面や四肢などに脱毛やフケ、かゆみの症状が現れます。人にも感染する人獣共通感染症であるため、早期の治療と徹底した感染コントロールが必要です。
皮膚糸状菌症であることが確定した後は掃除・消毒で生活環境を整え、うさぎには極力触れないようにするなど、再感染を防ぐ意識を持つことが大切!
湿性皮膚炎について
湿性皮膚炎はうさぎの皮膚が涙やヨダレ、糞尿などにより持続的に湿っていることで起こる皮膚炎です。湿った皮膚に細菌が増殖し、かゆみや脱毛、腫脹などを引き起こします。不正咬合や膀胱炎・尿結石、子宮疾患などの基礎疾患が関連していることもあるので、抗菌剤を使用しても皮膚が良化しない場合は原因の精査を行ってください。
治療薬や投薬以外にできること
皮膚糸状菌症に対しては抗真菌薬、湿性皮膚炎に対しては抗菌薬が使用されます。うさぎは草食動物のため、使えるお薬が限られているのでご注意ください。
有効成分にケトコナゾールを含有するクリームタイプの外用抗真菌剤です。日本の動物病院でも日増え糸状菌に対して使用されています。
CHECK有効成分としてエンロフロキサシンを含むシロップタイプの抗菌薬です。うさぎ用に認められている動物用医薬品なので安心して使用することができます。
CHECK投薬以外に必要なのが、環境の整備・消毒です。不潔な環境では再感染を起こすリスクが高くなるため、皮膚病治療の一環として必ず行ってください。
さらに、皮膚病の予防のためには環境を清潔に保つこと、ブラッシング、被毛や皮膚観察が大切です。ブラッシングを行う際には抜け毛がいつもより多くないか、剥げている部位はないか、フケが多くなっていないかなど注意して観察するようにしてください。
放置してしまうと悪化して治療が困難になることもあります。少しの異変も見逃さないであげてくださいね!
今回のブログでは夏に多くなる皮膚病について解説しました。夏場は室温の管理だけでなく飼育環境の衛生面も注意して皮膚病に備えましょう!
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