【獣医師監修】ウサギの病気②~ノミ・ダニ~
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こんにちは、うさパラです。
ウサギ用のお薬の取り扱い開始を記念して、ウサギの病気について解説するこのシリーズ。
3回目の今回は、外部寄生虫疾患(ノミ・ダニ)についてです!犬猫においてノミ・ダニなどの外部寄生虫予防は一般的ですが、ウサギで定期的に予防をしている飼い主さんは少ないのではないでしょうか。
しかし、ウサギにノミやダニが寄生しないわけではありません。
特に「うさんぽ」に行かれるウサギさんたちには定期的な予防が推奨されています。「部屋んぽ」だけの場合でも、普段からこまめにチェックし、定期的な駆虫はもちろん、皮膚症状が出た時には投薬するようにしましょう。
ウサギに寄生するノミ・ダニにはどんな種類がある?
ノミはイヌノミやネコノミ、ダニではウサギキュウセンヒゼンダニ、ウサギズツキダニ、ウサギツメダニ、マダニがウサギに寄生します。
特にツメダニとネコノミはウサギに寄生することも多く、寄生数が多いと皮膚症状を引き起こすので注意が必要です。
これらの寄生虫は人間にも寄生し、かゆみなどの症状を引き起こします。
⚠ツメダニ症
ツメダニ症はウサギツメダニ(Cheyletiella parasitivorax)の寄生により起こります。ウサギの皮膚寄生虫疾患の中では最も発生が多い病気です。
ツメダニが感染すると、後頭部から頚背部や臀部(おしりから腰のあたり)にかけて大きな落屑(フケ)や脱毛、皮膚の発赤が認められます。多くの場合、強い掻痒感があり引っ掻いてしまうため痂皮(かさぶた)が観察されます。
⚠ノミ症
ノミ症はイヌノミ(Ctenocephalides canis)やネコノミ(Ctenocephalides felis)の寄生により起こります。
ウサギのノミ感染は、種を越えて感染する可能性があるネコノミが多いため、犬や猫と同居している場合は注意が必要です。また、完全に室内飼いのウサギであっても人が外から家に持ち込み感染した例が報告されています。
感染すると、背部を中心に脱毛やノミ糞が確認されます。ウサギが生活するスペースに黒い消しゴムのカスのようなノミ糞が認められた場合は駆虫薬の投与が必要です。
予防・治療薬はどこで入手できる?投薬以外にできることは?
▼治療薬
日本の多くの動物病院では、セラメクチン製剤である「レボリューション」が使用されています。このお薬はウサギに対する使用は日本では承認されておらず、自己責任での投与になるので、ご注意ください。また、同シリーズから出ている「レボリューションプラス」はウサギに使用すると重篤な副作用が出る可能性があります!間違えないようにご注文ください。
うさパラでは以下の治療薬の取扱いがございます💡
セラメクチン含有のノミ・ダニ予防薬です。日本では承認されていませんが、世界中の動物病院でウサギの外部寄生虫治療薬として使用されています。1本あたり0.25mlと薬剤量も少ないので、投薬も簡単です。
海外でウサギのノミ予防薬として使用が承認されているアドバンテージは、イミダクロプリド含有のノミ予防・治療薬です。ウサギに対する安全性が承認されており、背部に塗布するだけで簡単に投薬できます。4㎏以上の子には80mgのこちらを。
▼環境の整備
ウサギにノミやダニの寄生が認められた場合は、投薬だけでなく飼育環境の整備も欠かせません。必ず家の中の掃除や殺虫剤などの散布を行なってください。ケージの熱湯消毒のほか、使っている布製品の洗濯など、家全体の環境を見直し徹底した整備を!
今回のブログではやっかいなノミ・ダニの種類や治療薬について解説しました。人へ危害を加える寄生虫もいるので、じゅうぶんに注意したいところですね。
以上、うさパラスタッフがお届けしました✨
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