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守るためには備えよう!災害時のペットの避難と避難所生活について

この記事を読むのに必要な時間は約 13 分です。

東日本大震災、熊本地震、新潟中越地震など、日本を襲った大震災の数々。
避難者の方々の中には、ペットと共に避難生活をおくられた方も多かったかと思います。
当時は、避難所によっては、ペットについての対応を定めていなかったために
受け入れが認められなかったという場合も多かったそう。

 

また、たとえ受け入れてもらえても、
環境が変わったことによるストレスや感染症などによって、
ペットが病気になってしまった人。
ペットの衛生管理不足やしつけ不足などによって、
他の避難者とトラブルになってしまった人も、少なくはなかったようです。

 

避難所では多くの人が不安を抱えて、緊張した状態にあり、
通常よりも人同士のトラブルが発生しやすい状況です。
飼い主としての準備が足らなかったばかりに、ペットにストレスを与え、
さらに本来協力し合わなければならない人たちとトラブルになってしまうのは、
避けたいですよね。

 

東日本大震災の後、環境省はペットとの同行避難を推奨。
自治体への呼びかけもあり、
事前にペットの受入れを検討・準備する避難所運営者は全国的に増加しつつあります。

 

だからこそ、飼い主側も避難所でのペットによるトラブルを減らすために、
過去の事例をしっかり学んで、事前に備えておく必要があるのではないでしょうか。

 

これだけは覚えておいて欲しいのですが、災害時に大切なペットを守るのは、
普段からのあなたの行動と準備、それから知識です。
それを知っているか、準備しているかどうかで、
ペットの避難生活でのストレスの大きさは変わります。

 

不安で鳴いてしまう子、怖がってしまう子、緊張して暴れてしまう子など、
どうにもならないことだってあります。
言葉が分からない相手である以上、それは仕方がありません。
ですが、飼い主の準備次第で、どうにかできることだって沢山あります。

 

ペットのしつけや訓練は、他でもないペット自身を守るために必要なものです。
これは災害の多い日本に住んでいる以上、全ての飼い主に当てはまります。
事前にしっかり準備して、もしもの時にペットが辛い思いをしないようにしてあげましょう。

 

今回のうさパラブログでは、ペットの災害対策についてピックアップ。
環境省が掲載している、「人とペットの災害対策ガイドライン」を参考に、
飼い主が事前に行うべき、ペットの災害対策をご紹介したいと思います。

 

日常から行うべき、ペットの災害対策

1. 避難所、避難ルート、一時的なペットの預け先等の確認

災害時に備え、住んでいる地域の防災計画や自治体の広報誌、
ウェブサイト等で災害時の避難所の所在地や、避難ルートを確認しておきましょう。
その際、避難所にペットを連れて行く際の注意事項も、
あらかじめ管轄の自治体に確認することで、
いざという時にスムーズに行動することができます。

 

地域で行われる災害対策の会合や避難訓練には積極的に参加し、
いざという時に助け合えるよう、
近隣住民とコミュニケーションをとって良好な関係を築いておくことも大切です。
また避難所への避難以外にも、ペットの一時預け先として、
親戚などに事前に相談しておくことで、
よりペットの安全を確保することが可能になります。

 

          避難訓練でのチェックポイント

・避難所までの所要時間
・ガラスの破損や看板落下などの危険な場所
・通行できないときの迂回路
・避難所でのペットの反応や行動
・避難所での動物が苦手な人への配慮
・避難所での飼育環境の確認

              災害時におけるペットの救護対策ガイドライン
                    一般飼い主編(抜粋版)より抜粋

 

 

2. しつけと健康管理

災害時、ペットはパニックに陥る可能性が高く、安全に避難するためには、
普段からケージやキャリーバックに慣らしておくことや、人に吠えない、
噛みつかないなど、最低限のしつけでできている必要があります。

 

また、避難所での生活においては、日ごろからのしつけに加えて、健康管理も重要です。
一般的に、ペットは環境が変わることでストレスを受けやすく、
免疫力が低下する傾向にあります。

 

さらにペット用の避難場所では、
他の動物との接触も増えるため、感染症などの可能性が上昇。
そのため、避難先でペットが病気になるリスクを下げるためには、
普段からしっかり健康管理に注意を払い、
予防接種やノミ・ダニなどの寄生虫駆除を行っておく必要があります。

 

         災害に備えたしつけと健康管理の例

犬の場合
・「待て」「おいで」「お座り」「伏せ」などの基本的なしつけを行う。
・ケージ等の中に入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく。
・不必要に吠えないしつけを行う。
・人やほかの動物を怖がったり攻撃的にならない。
・決められた場所で排泄ができる。
・狂犬病予防接種などの各種ワクチン接種を行う。
・犬フィラリア症など寄生虫の予防、駆除を行う。
・不妊・去勢手術を行う。

猫の場合
・ケージやキャリーバッグに入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく。
・人やほかの動物を怖がらない。
・決められた場所で排泄ができる。
・各種ワクチン接種を行う。
・寄生虫の予防、駆除を行う。
・不妊・去勢手術を行う。

              災害時におけるペットの救護対策ガイドライン
                    一般飼い主編(抜粋版)より抜粋

 

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3. 迷子対策(マイクロチップ等による所有者明示)

東日本大震災では、震災前より地域防災計画に同行避難について記載し、
ペット救済マニュアルの作成、餌やケージなど物資の備蓄を行っていたにも関わらず、
飼い主や市町村等の災害担当部署に「ペットとの同行避難」に関する意識が十分に浸透せず、
多くの飼い主がペットを置いて避難したため、
発災後の対応に苦慮した自治体がみられたそうです。

 

災害時にはぐれた動物を保護するためには、多大な労力と時間を要するだけでなく、
その間にペットが負傷したり、衰弱・死亡することも考えられます。
また、不妊去勢処置がされていない場合、
繁殖することによって衛生環境が悪化することも考えられ、それらの事態を防ぐために、
環境省は、災害時のペットの同行避難は必要な措置であるとしています。

 

しかし、災害発生時には何が起こるかわかりません。
そのため、ペットと離れ離れになる場合も事前に想定しておく必要があります。
ペットが別の場所で保護された際、飼い主の元に戻れるためには、住所や名前、
電話番号を記載した迷子札の装着はもちろん、
マイクロチップの装着とAIPO*への登録なども、
より発見の可能性を高めることになります。

 

* AIPO Animal ID Promotion Organization(動物 ID 普及推進会議)の略称。
マイクロチップを利用した犬・猫等の家庭動物の個体識別を普及推進するため、
(公財)日本動物愛護協会、(公社)日本動物福祉協会、(公社)日本愛玩動物協会、
(公社)日本獣医師会の 4 団体によって構成された組織で、
(公社)日本獣医師会がマイクロチップのデータベースの登録・管理を行っている。
マイクロチップ自体には、15 桁の数字が記録されているだけで、
飼い主の住所・電話番号などの情報は入っていないため、
マイクロチップを装着した場合には、
飼い主のデーターと照合するためのデータベースへの登録が必要となる。

 

           迷子にならないための対策例

犬の場合
・首輪と迷子札
・鑑札や狂犬病予防注射済票(飼い犬は狂犬病予防法により鑑札の装着や
 年一回の予防注射、及び注射済票の装着が義務づけられている)
・マイクロチップ

猫の場合
・首輪と迷子札(猫の首輪はひっかかりを防止するために、力が加わると
 外れるタイプがよい)
・マイクロチップ

              災害時におけるペットの救護対策ガイドライン
                    一般飼い主編(抜粋版)より抜粋

 

4. ペット用の避難用品や備蓄品の確保

避難先に置いて、ペットの飼育に必要なものは、
基本的には飼い主が用意する必要があります。
避難所に、ペット用の救援物資が届くまでには時間が掛かることを想定しておきましょう。
目安としては少なくとも5日分、できれば7日分が望ましいと言われています。

 

実際、震災初期にはペット用の救援物資を運ぶ車両が緊急車両として認められず、
ガソリン不足も加わり救援物資がすぐに届かなかったという報告もありました。

 

ガイドラインでは、自分用とともに事前にペットの避難用品も準備し、
なおかつ優先順位をつけて、優先度の高いものは避難時にすぐに持ち出せるよう
保管することを推奨しています。

 

       ペットを避難させるために必要な避難用品の例      

犬の場合
・首輪とリード(小型犬などはリードを付けた上でキャリーバックに入れる
 のもよい)

猫の場合
・キャリーバックやケージ(キャリーバックなどの扉が開かないように、
 ガムテープなどで周囲を固定するとよい)

 

      ペット用の備蓄品と持ち出す際の優先順位の例

優先順位1 常備品と飼い主やペットの情報
・療法食、薬
・フード、水(少なくとも5日分[できれば 7 日分以上が望ましい])
・予備の首輪、リード(伸びないもの)
・食器
・ガムテープ(ケージの補修など多用途に使用可能)
・飼い主の連絡先とペットに関する飼い主以外の緊急連絡先
・預かり先などの情報
・ペットの写真(携帯電話に画像を保存することも有効)
・ワクチン接種状況、既往症、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報

優先順位2 ペット用品
・ペットシーツ
・排泄物の処理用具
・トイレ用品(猫の場合は使い慣れたトイレ砂)
・タオル、ブラシ
・おもちゃ
・洗濯ネット(猫の場合)など

              災害時におけるペットの救護対策ガイドライン
                    一般飼い主編(抜粋版)より抜粋

 

いかがでしたでしょうか?

ペットは大切な家族です。
しかし、避難所・仮設住宅では、様々な人が集まり共同生活をするため、
動物との暮らしが苦手な方やアレルギーの方もいます。
また、余裕のない避難生活において、周りに配慮を求めすぎるのは、
トラブルを引き起こす原因となります。

 

ペットの訓練、しつけにこれまで抵抗を感じていた方や、
災害時にペットをどうするかをよく考えていなかった方は、
できればこの機会に、ペットの災害対策について、
ご家族と共に話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

災害はいつ何時発生するか分かりません。
繰り返しになってしまいますが、あなたの事前の準備が、いざという時に、
様々なものからペットを守ることを忘れないでください。
可愛がるだけが愛情ではないことを理解している人こそ、
本当に愛情の深い飼い主の方だと私は思います。

 

また、最後になりましたが、災害時はまず自分の安全確保を第一に。
自分が無事でなければ、ペットを助けることはできません。
そのためにも、自宅の耐震の確認や、家具の固定、避難用品の準備等の対策を
万全にしておきましょう。

 

※今回、一部を抜粋した、環境省の災害時におけるペットの救護対策ガイドラインの情報は、以下で取得することができます。ぜひ、一度目を通して、いざという時のために備えてください。

災害時におけるペットの救護対策ガイドライン

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